アイヌ語について

イランカラプテ!キミです!

今回はアイヌ語について知ってもらいたいと思います。

アイヌ語とは

アイヌ語はアイヌ民族の言語で言語学的には地理的に近い他の言語(日本語など)と異なり、独立した言語であると認識されているようです。ひとくちにアイヌ語といっても地域差があり、共通語はありません。もちろんお互いに意思の疎通が不可能なレベルではないでしょうが。僕の地元二風谷はサル方言と呼ばれるアイヌ語が話されていた/いる地域です。僕は日本語と英語が話せますが、もちろんどちらとも全く違った言語だと感じます。韓国・朝鮮語やサハリン(樺太)の先住民の言語は知らないので僕の力で比較しようがありませんが、学者がいうには違うようです。

僕が毎回記事の最初に書いている言葉「イランカラプテ」もアイヌ語です。本来の意味は「ごあいさつ申し上げます」のようにかしこまった挨拶言葉だったようですが、現在はもう少し砕けて「こんにちは」という意味で使われてもいます。

日本語に取り込まれて使われているアイヌ語では「シシャモ」「トナカイ」「ハスカップ」「ラッコ」などが知られています。他にも北海道内の地名にもアイヌ語語源がたくさんあり、川の名前、地名など実際の割合はわかりませんが、僕の実感では8、9割ほどはアイヌ語語源でしょう。

アイヌ語の特徴

アイヌ語の特徴は1.動詞が時制で変化しない事。2.目的語の数によって動詞が変わる事。3.単数複数によって変わる動詞がある事。4.主語や目的語が何人称か、あるいは複数か単数かによって動詞の直前もしくは直後に特定の接辞(人称接辞)がつく事。などが挙げられます。言葉で説明してもわかりづらいので、例文をあげたいと思います。日本語、英語、アイヌ語を対比する形で表しましたが、それぞれの言語で言い回しが不自然になっている部分があります。アイヌ語優先でそれに近い形の日本語と英語を当てたと考えてください。僕のアイヌ語のレベルはまだまだで間違っているかもしれませんが、僕が学習して感じたアイヌ語の特徴です。アイヌ語上級者のチェックを受けていないので引用や学習に使わないでください!参考程度に考えてください。

1.時制で動詞が変化しない

昨日私のお母さんは鮭を食べた/My mother ate salmon yesterday.

numan ku=hapo sipe e. ヌマン クハポ シペ 

今日私のお母さんは鮭を食べる/My mother eats salmon (today).

tanto ku=hapo sipe e. タント クハポ シペ 

明日お母さんは鮭を食べる/My mother will eat salmon tomorrow.

nisatta ku=hapo sipe e. ニサッタ クハポ シペ 

2.目的語の数で動詞が変化する

お母さんは鮭を食べたい。/My mother want to eat salmon.

ku=hapo sipe e rusuy. クハポ シペ  ルスイ。

お母さんは(何か)食べたい。(空腹だ)/My mother want to eat something.

ku=hapo iperusuy. クハポ イペルスイ。

3.単数複数による動詞の変化

鹿が1頭いる。There is a dear.

sine yuk an. シネ ユク アン

鹿が10頭いる。There are ten dears.

wan yuk oka. ワン ユク オカ

4.人称接辞

あなたが鮭を食べる。You eat salmon.

sipe e=e. シペ エ。

私たち(話し相手を含まず)が鮭を食べる。We eat salmon.

sipe ci=e. シペ エ。

私たち(話し相手を含む。)は鮭を食べる。we eat salmon.

sipe a=e. シペ エ。

アイヌの口承文芸

かつてのアイヌは文字を持たない民族でした。現在では上の例で書いたようにローマ字やカタカナでアイヌ語を表記するようになっています。文字を持たなかった先祖は物語の口伝えという方法をとり、アイヌの価値観などを子や孫へと受け継ぎました。口承文芸と呼ばれる物語はタイプによって数種類に分類され、かつてのアイヌ語研究者などは熱心にその物語を録音しました。録音された物語は現代のアイヌにとっても(古くは研究者のみに使われていました。)大切な資産になっています。詳しくは二風谷アイヌ文化博物館ホームページを読んでみてください。

まだまだ勉強中で自由に使いこなせないアイヌ語ですが、自分たちの文化を次の世代に残していくために大切なことだと僕は思うので、少しずつでも前に進めるように活動していきたいと思います。

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